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レキオ島唄アッチャー

「かいされー」の元歌は八重山の「しゅうら節」、その3

 八重山民謡の音階と特色

  八重山民謡は「多彩な謡法と幅広い音階を兼ね備えたものが多く、しかも、変化に富んだメロディーが多い」と新崎善仁氏はその魅力の秘密を語っている。沖縄本島の民謡は、「レ・ラ」抜きの沖縄音階の曲が多いけれど、八重山の場合は3つの音階が使われているという。
 新崎氏は「八重山民謡の旋法を分類してみると、概ね、次の旋法、即ち、律旋法、呂旋法、それに琉球旋法からできていることがわかる。この3つの旋法が、八重山民謡の基調をなしている」(新崎善仁著『八重山民謡の考察』)という。
 旋法とは、「音階が単に音を音高により昇順あるいは降順にならべたものであるのに対し、旋法は主音あるいは中心音、終止音、音域などの規定を含む。 旋法は特殊化した音階」(ウィキペディア)とされる。
 律音階は、ド・レ・ファ・ソ・ラ・ドの五つの音(ミ、シ抜き)からなり、「八重山音階」と呼ぶ人もいる。呂音階は、ド・レ・ミ・ソ・ラ・ドの5音からなり、半音(ファ・シ)がない。琉球音階は、ド・ミ・ファ・ソ・シ・ドの5音で、「レ・ラ抜き」で「ファ・シ」の半音が入る。
 律、呂の旋法は、「遠く仏教伝来の際、朝鮮半島の百済から我が国に伝わってきた文化」だが、呂旋法は、本土の風土になじまなかったのか、いつしかその姿を消し、今では「律音階による旋律しか遺っていない」(同書)。
しかし、八重山地方には、「今なお、律、呂の旋法が民謡の基調をなしているのは大変面白い」「年代的に見ると古い民謡ほど、律、呂の旋法の痕跡を遺している」とのことである。

 例えば、「鷲ユンタ」を初め、「首里子ユンタ」「まへーらつユンタ」やその「トース」、等は律旋法の音階で構成されており、そのほか、「くいちゃ踊る」や「千鳥節」「世果報」「夜雨節」「高那節」「六調節」等々の節歌も律音階でできている、という。

 八重山の古謡(ユンタ・ジラバ)の中に律音階が多く残っているそうだ。

八重山には沖縄音階の「琉旋法」の民謡も多くあるが、三味線文化が沖縄本島から役人によって八重山に持ち込まれて発展した文化といわれる。

<琉球旋法は、おそらく、三味線が八重山に伝わり、琉歌体(8886)による三味線音楽の文化が、八重山の庶民の生活の中に定着して後に、琉球旋法による民謡も生まれたのだろうと推考される。その最も代表的なものが、与那国ションカネー、川平節、小浜節、黒島口説等がそれである(新崎善仁著『八重山民謡の考察』)>。

                  
 <このように八重山の民謡は、これ等文化の輻輳(注・ふくそう)したもので、音階的に分析してみれば律はもちろんのこと呂、琉と、3つの旋法による民謡が多いことがわかる。なかでも「ユンタ、ジラバ」謡法はまた格別で、それは庶民が生きるために、生みだしたと思われる特殊謡法で、即ち「囃し謡法(ユンタ)」「ウティナン、スサナン謡法」(ジラバ)等がある。その謡法が八重山民謡をより豊かに幅広い色彩のものに創りあげているのがわかる。それがひいては八重山をして「詩の国、歌の国」と評価された所以もその辺にあるのではないかと思う。(新崎善仁著『八重山民謡の考察』)>


 本題から少し外れるが、ユンタ、ジラバの謡法について、まだよくわからないので新崎氏の解説を見ておきたい。

 <単的に言うと、ユンタは「囃し謡法」であり、ジラバは「ウティナン、スサナン」謡法ということができる。
 いずれの謡法とも交互謡いには違いないが、その内容が異なる。即ち、ユンタは曲の随所に囃しを入れての一パターンの交互謡いであるのに対し、ジラバは第一節、二節とも、おのおの異なったメロディーで構成され、しかも、謡法に変化を与えるため、一節、二節を交互に歌うところがユンタとは異なる。この謡法を地元では「ウティナン、スサナン」謡法と言っている>


   私が通う八重山民謡サークルでもいま、ユンタを歌っているところだ。三線を弾かず、
拍手だけで男女交互に歌うユンタの謡法は、沖縄本島にはない八重山ならではの魅力である。

 ジラバは、一節、二節とメロディーが少し異なり変化するので、難しさがある。
「これ等双方の謡法を適当に組み合わせて歌うことによって、長い労働の中でも飽きることなく、何時までも歌い続けることができるからであろう。その意味で、ユンタ、ジラバが労働歌と言われる所以もそこにあるのではないかと思う」(新崎善仁著『八重山民謡の考察』)とされる。


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