レキオ島唄アッチャー

変容する琉球民謡、八重山から本島へ。「下原節」

「下原節」(ソンバレーブシ)
 西表島の下原村における人間様が描かれている。長い歌詞だが、なかなか面白い物語になっている。そのほとんどは、男女の恋にからまる話である。長いので1、2番だけ歌意を紹介する。
 ♪ヤマクザーという間抜けな男は チゥクンヌブネを離縁し モーガナーと再婚したのだが 罵ったり踏み付けたり チゥクンヌブネの方がよかったと後悔しきり 気の毒なことよ、かわいそうなことよ
 ♪マサレザーという賢い男は モーガナーと離縁し チゥクンヌブネと再婚し 互いに助け合って世評を高め 筑補佐(チクブサ)にも佐事補佐(サジブサ)にもなったのだ 羨ましいことよ、羨ましいことよ
(注)筑補佐は村番所で人頭税を受け付ける役。佐事補佐は婦女子の監督者(喜舎場永珣著『八重山民謡誌』から)。
 モーガナーは悪女、チゥクンヌブネはよい女性に描かれ、いい女性と再婚したら成功をおさめるという話になっている。「男は女房次第・家庭は妻次第」という「往時の価値観を示している」(當山氏)という。そういう意味で、教訓歌といわれる。
 本島ではやはり舞踊曲集「松竹梅」の一つ「そんばれ節」となっている。これはめでたい歌詞となっている。
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                国際通りで踊る「若衆踊隊」
 ♪今年から始まる 下原の踊り 青年を盛装させ舞い踊らせ 前結びもかたかしらも きれいなものだ
 ♪鶴と亀の年齢は 千年も万年も続くが 私も年を競っていつまでも 生きながらえたいものだ
  子孫の繁栄を祈りつつ
 一応「下原の踊り」という文句は登場するけれど、元歌とはまったく異次元の内容となっている。松竹梅の舞踊曲に使われている八重山の元歌は、本来はおめでたい曲ではない。けれども、替え歌にすれば祝儀舞踊に適していると見られたのだろうか。
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