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レキオ島唄アッチャー

ニライカナイはどこにあるのか。地下他界?

 ニライ・カナイはどこにあるのか

 沖縄では、海のはるか彼方に神の住むニライ・カナイがあると考えられてきた。ただ、ニライ・カナイがどこにあるのか、についてはいくつかの見解がある。そう単純ではないらしい。たまたま吉成直樹著『琉球民俗の底流』を読んでいると、ニライ・カナイ信仰や来訪神信仰などについて興味深い考察がされていた。以前、このブログでアップした「『底』の字がつく民謡の不思議」「南島に現れる仮面、仮装の神々」ともかかわりのあるテーマである。吉成氏の著書からいくつかの関心のある問題にしぼって見てみたい。 

 ニライ・カナイは地下他界?
 海のはるか彼方、あるいは海底にある聖なる国と考えられてきたニライ・カナイ。しかし、沖縄の各地、離島で現実に行われている祭事を見ると、「確かに、海のはるか彼方、海底の世界の国としてのニライ・カナイを対象としているものがある一方で、あくまでも地下の世界にニライ・カナイを考えているものも存在している」(『琉球民俗の底流』)。
 吉成氏はこのように述べている。ニライ・カナイが、本来、あくまでも垂直的な地下を志向する地下他界であったこと、また先島諸島(宮古諸島、八重山諸島)では、現在でも地下他界を意味すると考えざるを得ない儀礼群が残されていることを明らかにしようとする。
 琉球列島では、祭りごとは女性が中心になって行なわれることが多い。この神女たちを中心とする神人たちが行うニライ・カナイに結びつく儀礼は、「あくまでも水平的な海上他界である」とする。
 
  しかし、八重山諸島には、いささか趣の異なるニライ・カナイに結びつく儀礼群が存在する。
 <男性たちの年齢階梯的な結社によって行われる来訪神儀礼、折口信夫の用語、すなわち「折口語彙」では「まれびと」と表現される人神の訪れる儀礼がそれである。八重山諸島では、アカマタ・クロマタ(ときにはシロマタも)、マユンガナシと呼ばれる。男性が全身に蔓草を身にまとったり、クバの葉、蓑笠などを身につけて人神になり、村を訪れ、祝福し、村を去っていくのである。
これらの儀礼では、来訪神は地下あるいは土中から出現すると考えられている(吉成直樹著『琉球民俗の底流』)。>
   
                
                
 これまでの研究では、地底は海底に、さらには海のはるか彼方に連なると考えられ、これもまた広い意味での海上他界であり、両者に本質的な違いはない、とみなされてきたことにたいして、吉成氏は異論を提起している。
 男子結社による仮面仮装の習俗とノロ・ツカサを中心とする神女たちによる儀礼は、その「出自=系譜が異なる」とする。
 水平的な海上他界は、「女性を中心とする神女たちに結びついていて神女組織が整えられるに及んで、その神女組織とともに展開した可能性を示唆する」とみる。
 「端的に言えば、男子結社が行うニライ・カナイ系の他界と結びつく来訪神儀礼と神女たちの儀礼では文化史的価値(広がっていった時期)が異なるのではないか」ということである。
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