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レキオ島唄アッチャー

日本画で県展入選する腕前

 5月に郷里の高知に帰省した際、かつて同じ職場で働いた元同僚の2人と50年ぶりに再会したことを書いた。そのうちの一人、F君は日本画を趣味としている。どのような絵を描いているのか知らないままだった。彼が自分の描いた日本画の写真を送ってきてくれた。とても素晴らしい日本画だと思うので、いくつかを紹介したい。  

 F君は、奥さんに言われて何か趣味をと考えていた矢先、日本画の大家、東山魁夷の絵を見て「これだ!」と思いたち、日本画の通信教育を2年間受けたという。50数年前、宿毛市の山奥の職場で働き、同じ寮で生活をしていた当時は、娯楽のない山奥の生活なので、よく仲間と一緒に酒を飲んだことだった。私の持っていたクラシック音楽などレコードを聴いたり、時に先輩の指導で写真の現像と焼き付けをしたことを思い出す。だが、絵を描くのが好きだという話は一度も聞いたことがなかった。だから、青春時代のF君からは想像できなかった。互に仕事を退職してから、年賀状の交換で、日本画を描いていることを知ったのはほんの数年前である。
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     2016年高知県展入選の作品「追憶実りの秋」と作者のF君

 F君は、いまでは、高知県美術展覧展で再三入選する腕前である。私は知らなかったけれども、働いている当時から絵を描くのは上手かったようだ。
 送ってくれたカラー写真を見ても、日本画の繊細な表現、鮮やかな色彩、大胆な構図など入選するのも当然だと思われる。現物で見ればいっそう魅了される出来栄えだろうと思われる。
 「追憶実りの秋」は、かつて田舎ではお米を刈り取った後の稲を脱穀する情景を描いている。F君の追憶の中での情景なのだろう。これは本来は画題にはなりにくいテーマだと思うけれど、見事に描き出されている。画を見ていると、かつての田舎の光景が蘇るようで懐かしい。 

 次の作品は「春の兆し」。春を迎える山林の風景が繊細な筆致と色彩豊かに描かれている。山と森林の四季折々の移り変わりと木々や草が芽吹き始める頃の美しさを知り抜いた人でなければ描けない絵ではないだろうか。2017年県展入選作品である。
          林  
 次は、2014年県展入選の「備え」と題する作品である。川に造られた堰堤と水門だと思う。山里で暮らすと川は身近にあり日常の風景である。でも、堰堤などは素人的には絵画の対象とは考えにくい。それは色彩は単調で、構図も面白みに欠けると思ってしまうから。でも、さすがに彼の絵は、落ち着いた色調で、どっしりとした存在感があり、川面に映る水門も鮮やかに描かれ、空の色合いも変化がある。入選もうなづける作品だと思う。 
        
       堰堤
  次は2015年四万十市美術展で市長賞(特選)を受けた作品「清流仁淀と水門」である。F君は四万十市の出身であり、同市出身者は出品資格があるという。
 この絵も清流にかかる水門を描いている。大胆な構図によるどっしりとした水門の存在感と鮮やかな朱色のゲートが対照的。深緑の水面の色彩やススキの繊細は描出など、さすが市長賞をいただいただけの出来栄えだと思う。
 
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 次は、2016年四万十市美術展推薦作品「秋景 奥南川渓谷」。秋色に染まる林や渓谷の岩々、そこを流れる清流の色合いの微妙な表現など、渓谷の秋が見事に映し出されている。
    谷川
 次は「静寂」という作品。大栃の国有林「さおりケ原」の冬の情景を描いている。積雪がまだかなれある森に出かけて、このような情景を見ることは、情熱がなければできないことである。表題の通り、どこまでも広がる静寂を感じさせる。かつて私も大栃でも働いたことがあり、F君から場所を聞くと、一度は行ったことがあるはずである。でもこのような情景は見た記憶がない。 

    雪林 
   秋は美術展のシーズン。F君も県展に向けて準備中のようだ。これからも、F君ならではの視点の日本絵を見たいものである。


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