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レキオ島唄アッチャー

不思議な三線の「尺」の位置(上)

 不思議な「尺」の位置

 沖縄民謡を学んでいて難しいことの一つに「尺」の位置がある。琉球古典音楽や民謡では、ドレミの音階を「合、乙、老、四、上、中、尺、工」で表す。「尺」は「シ」にあたる。ところが、西洋音楽では、個々の音階の位置は一つしかないが、沖縄の音楽では「尺」の位置は、一つではなく、3つ、4つもあるという。「シ」の半音低い音、つまり「♭シ」にあたる「低い尺、♭尺」と通常の「シ」にあたる「高い尺」、さらには、それよりも半音高い「♯シ、♯尺」がある。「♯尺」は、「下尺」として一応区別して表示される。
 私が三線を初めて買った
池武当新垣三線店の「オンラインサポート」によると、低い尺と高い尺の間もポジションとして使用することがあるという。なおややこしい。
 問題は、楽譜に当る「工工四(クンクンシー)」では、「低い尺」か「高い尺」かについてまったく表示されていないことである。それぞれの曲によって、どちらの尺を使うのかは決まる。この点は、八重山民謡でも同じだ。
 私が学んだ八重山民謡の先生は、曲ごとに「この曲は高い尺を使いますね」と教えてくれた。でも、沖縄民謡でも八重山民謡でも、サークルでは通常、そんなことは教えてくれない。音を聴いて判断するしかない。もう面倒だから「低い尺」だけですませている人もいる。
               「由絃會民謡工工四」
               『由絃會民謡工工四』から


 先日、民謡に詳しいTさんにこのことを尋ねてみた。Tさんは、三線の音の位置についてわかりやすく図示した資料を見せてくれたのでコピーした。この資料は、同じ音の位置でも、「かぎやで風型」「瓦屋型」によって、位置が異なることを示したものである。それによると、「瓦屋型」の「尺」は「低い尺」であり、「かぎやで風型」は「高い尺」の位置とされている。たくさんある古典や民謡の曲がどちらの型に入るのかはわからない。

 さらに「下尺」の位置も悩ましい。「低い尺」「高い尺」「さらに半音高い尺」の3種類の尺は、音程が半音ずつ上がっていく。「シ」と「ド」は半音しか違わないので、「下尺」と表示される「♯シ、♯尺」の位置は、実は「ド」「工」と同じ高さの音となる。ということは、音階で同じ音が、譜面上は二つの音として表記されることになる。西洋音楽では、「シ」より半音高い音は「ド」と表記とされて「♯シ」とはいわないだろう。

 「なぜ、下尺と工は同じ音になるのに、別の表記があるのだろう」と疑問だった。
 「地
菅撹(ぢすががち」という曲には「尺」から「下尺」に指を滑らして弾くカ所がある。つまり、これを「尺、工」と表記すると、中絃で「尺」を弾き、「女絃」で「工」を弾くことになる。でもここは、同じ中弦の線上で「尺」から指を滑らして弾くので「工」ではなく「下尺」と表記する必要があったのだろう。そのことが理解できてやっと、同じ音の高さであっても「下尺」、「工」という二つの音階で表現する意味が理解できた。その説明が妥当であるかどうかはわからない。自分流の解釈である。

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