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レキオ島唄アッチャー

「底」の字がつく民謡の不思議、その9。「スク」の地名の由来

 「スク」の地名の由来
 「スク」の名がつく民謡を紹介してきたが、ではそもそも「スク」という字句はどのような意味を持っているのだろうか。
 「スク」という地名について、外間守善氏の考察をみてみたい(『南島文学論』)。
 <クースクとスク地名
 海の彼方にあるニーラン(根の国)からやって来るニーラン神が、穀物の種子配りをした聖域をクースクバー(小城場)、あるいはクースクオンと呼んでいることは、南島に広がるスク地名とその歴史的役わり及び聖性を考える上で見落とすことができないからである。…
                      
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                            古宇利島島
 まず、竹富島のクースクのスクと呼ばれる地理空間が、海と海神にかかわりのある聖域であり、小高い山の頂にある、ということに眼を向けたい。そうすると、沖縄本島北部の神の島といわれる古宇利島の頂上にあるアミスクや、奄美大島北部龍郷町秋名川周辺(稲作と神祭り平瀬マンカイ、ショッチョガマで名高い)にあるコスクも、スクの地名であり、海に近く、海神とかかわりのある聖域、小高い山、稲作とのかかわり、という共通点がみられ、それらが偶然の一致だとは思えなくなってくる。
 スク道といえば、竹富島にもスク道(別名ナビンドー道)があり、神の道、祭りの道と呼ばれている。…

 このようなスク地名のほとんどが海辺の高地にあるという地理条件を持っていること、海と海神にかかわりのある聖域であるということ、さらに周辺に稲作地が拓かれているということは、スクの意味を解くためにきわめてだいじなことである。(外間守善著『南島文学論』)>
 外間氏は、スク地名のほとんどは「海辺の高地」にあり、「海と海神にかかわりのある聖域」だとしている。あとから実際に沖縄各地の地名を見てみると、だいたい当てはまるようだ。

 <ちなみに、日本古語の「そこひ(底ひ)」は、「至り極まる所。際限。はて」(『岩波古語辞典』)と解釈されている。「ひ」は地理空間をあらわす接尾語の「辺」であろう。沖縄古語でも、「スク(底・城)」の意味は「遥かに遠い所」であり、遠い所、すなわち祖神たちのやってきた海の彼方である。そこは沖縄人の古代信仰であるニライ(根の国)とも重なっている。 
 ちなみに、八重山に分布する数多くのスク地名、たとえばアラスク、イシスク、トノスク、ハナスク、ニーラスク等々も「そこひ」につながりのある語であると考えられる。さらにそれは、沖縄本島に分布する聖域のグスクにもつながる語であろう。グスクのグは接頭敬語の「御」、スクは聖域の意に解されることになる。(外間守善著『南島文学論』)>

 日本古語の「そこひ(底ひ)」は、「至り極まる所。際限。はて」を意味し、沖縄古語で、「スク(底・城)」の意味は「遥かに遠い所」であり、祖神たちのやってきたところ、ニライ(根の国)とも重なっているという。「沖縄本島に分布する聖域のグスクにもつながる」と見る。グスクの「グ」は接頭敬語の「御」とすれば、大和でもよく「城」について敬語をつけて「おしろ(御城)」と呼んでいたことを思い出した。

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