レキオ島唄アッチャー

オセアニアの海と移動、その6 なぜ東へ東へ進んだのか

 ポリネシア人の祖先 
 ポリネシア人の遠い祖先は、台湾あたりから南方に拡散したオーストロネシア語族グループの一派であった。なかでも、東南アジアの島々に定着したインドネシア系の主流派から分かれて南下し、西太平洋の小さな島々に広く足跡を刻んだオセアニア系の先史ラピタ人こそが、彼らの直接の祖先に当たる。
 トンガやサモアに定着したラピタ人は、やがてポリネシア人となった。
ポリネシア人は非常に大柄であり、筋肉質で骨太のヘラクレス型の体形を誇る。また。肥満になりやすい体質とか、胴長で相対的に脚部が短いことなども特徴となる。
 今から何千年か前のこと、東南アジアからオセアニア方面に向けカヌーで乗り出した人びとがいた。おそらくは想像を絶するがごとき難行であった。そのうえ、たどり着いた島々には、ない物だらけの貧弱な天然資源しかなかったから、そこで生活するのは苦行。これらかつ慎ましき生活条件に耐えうることだったであろう。そんな過程のなかで多数を占めるようになったのが、過剰に成長した巨人症タイプの健常者だったのではあるまいか。
 この項は、片山一道著「小さな島々の巨人たち」(国立民族学博物館編『海の人類大移動 オセアニア』)から要約して紹介した。

 なぜ東へ東へ進んだのか
 これまでオセアニアの歴史と民俗・文化について専門家の見解を紹介してきた。これらを読んでいて一つだけ、まだ腑におちない点がある。それは、海の人類大移動がなぜ東へ東への進んでいったのか、という問題である。かつて、謎だったポリネシア人の祖先は南米人だという説を証明するためノルウェーの人類学者ヘイエルダールがコンティキ号という葦船に乗って航海したことがあった。
 私も少年時代にその航海記を読んだ記憶がある。でもこの南米から西へ移動したという説は現在では否定され、オーストロネシア人が東へ大移動したというのが定説になっている。
 
 なぜ東へ東へ進んだのか、という理由について、人間は東へ向かう習性がある、太陽が昇る方向に進んだなどという説明をする人がいる。でもこれは素人目に見ても、疑問を感じる。なによりもオセアニアは、広大な海域に無数の島々が点在していて、人類が定住していない未開の土地が多かったからではないか。とくにポリネシアは「人類最後のフロンティア」とも呼ばれる。
なんらかの原因で従来の土地に住めなくなった人々が、海を渡って植民をして行った。東へと向かい、さらに時間をかけて東へ東へと移動していったのではないだろうか。東アジアの各地は早くからすでに定住している人々がいる。そこに移動しようとすれば、争いになる。西への移動はあまりにも障害が多すぎる。海を渡る舟と航海術をもっていれば、海原を渡ってオセアニアの未開の島への移動を選択することが合理的だったのではないだろうか。
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                   石垣島の唐人墓(記事とは無関係)

 もう一つ関心があるのは、八重山諸島とオセアニアとの関係である。
 八重山が有土器から無土器に変わった背景に、南方から無土器文化の人びとが渡ってきたことが考えられる。
 ではポリネシアの無土器文化をつくりだしたと見られるラピタ人が、八重山にも渡ってきたのだろうか。しかし、東へ東へ移動した人たちが、北上したとは考えにくいという。
 それに、体格面から見ても、ポリネシア人は巨体であるが、そんな巨体は八重山諸島でも見られないので、ポリネシア人と同じ人種の人たちが八重山に来たとは考えられないだろう。
ただし、ミクロネシア中央および東部には、南から北上してきたラピタ文化の流れを汲む人びとによって2000年前ごろ植民され、土器も拡散初期には3つの火山島でつくられていたが、すぐにつくられなくなった。道具の素材としては石よりも貝斧や貝ナイフ、貝製の装身具類などがつくられたという。
 八重山の無土器文化や貝斧など貝を道具の素材としたことでも共通点がある。これらのラピタ文化の流れを汲む人びとが、北上して八重山にまで到達したという可能性はあるのかもしれない。そんなことが頭に浮かんできた。
いずれにしても八重山諸島に古代に南方の島々から移動してきた人たちがいたことは確かなようだ。それが、どういう人々だったのかは別にして、オセアニアの海の大移動の歴史と様相を知ると、かつて八重山諸島に渡ってきた人々が、どのように舟を操り、長い航海をして、たどり着いたのかを考える上で、とてもヒントになるように思う。
  終わり

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