レキオ島唄アッチャー

粟国島のヤガン折目、その2

 6月折目(ウユミ)
 安里盛昭著『粟国島の祭祀―ヤガン折目を中心に』からの紹介の続きである。
 ヤガン折目に入る前に、粟国島では別に「6月折目」があるのでふれておきたい。
 『琉球国由来記』では「6月中旬の壬の日を撰び、ノロ、3字の区長、各小字から雇われたヤトゥイと共に八重大仲のイビカナシー前に午後3時頃集合して、新しく収穫した麦でミーミチ(神酒)を作り、豊作を祈願し、害虫が発生しないように3月折目同様に殿殿をまわって拝む」(訳文)と記している。
 6月折目はなぜか粟国村においては「折目小(グヮー)」といっている。6月折目は官祭として村々においても麦穂祭最後の祭りとして、折目最後の忌み明けの祭りとしても大きな節句である。 
「6月は島最大の祭り、ヤガン折目の月であり、そのヤガン折目に対してそう呼ぶのであろうか」と安里氏はのべている。
 先之世(古代人)にとって春の初めの1月と7月がともに年の初め(正月)であり、6月と2月は年の終わりの月であった。つまり穀物の収穫時を2期に分けて考えたのである。

 粟国島最大の神行事
 ヤガン折目(ウユミ)は旧暦6月24日から26日に行われる村最大の神行事である。
 この祭りには島の1年の神事が官(王府)の意向によって作られて来た意味が含まれているように思われる。この神事を解き明かすことで、1600年頃聞得大君(キコエオオキミ)制度によっていかに官主導で古式の祭りが官の思い通りに作られて来たかがみえてくる。

 粟国島の北の方角に珊瑚石灰岩の崖下に小さな三つ石をおいた祠、ヤガン御嶽がある。そこをニーヌハ(北の端)と呼んでいる。旧暦の6月24日より26日まで3日間、島最大の祭りが行なわれる。そこより少し東北にアラバ御嶽、あるいはヤマガマと呼ばれる所がある。そこのアラバ神を召喚して行なう祭りである。
                    ヤガンウユミ、山ノ神迎え
                     山ノ神迎え(粟国村HPから)
 現在のヤガン折目の日程
 ヤガン折目は旧暦6月24日からはじまるが、22日から23日にかけて、ントゥングヮー大屋(スイミチ座)、ミヤグヮー(ヌル殿内)で各ウムイの練習が行われる。

  旧暦6月24日(「山ノ神」神迎え)
1、シブク取り(大嶽) 2、クシイキントー家へ 3、カニブの葉摘み 4、山にて神迎え(タレーラムイ)
  大嶽にてバチに使う桑の枝(神聖なもの)を取る→松尾嶽の管理家であるので御嶽に入るための祈りのビンシー(祈りの道具)を取りに行く→松尾御嶽(シマイ御嶽)に神女のかぶる冠を作るカニブの葉を取る→夕方タレーラムイにて神を迎える儀式を行う

 旧暦6月25日
1、火之神祭り(八重大仲=注・ヤガン折目祭場)) 2ナー(庭)祝い(八重大仲)
  ニーブトゥイ(注・男性の神人)によって明日から始まるヤガン祭りの報告をする→神祭りを行うための庭の浄めを行ない、御帆影屋(テント)を張る

 旧暦6月26日 ヤガン祭り本番
1、朝フララ(朝拝み、八重大仲) 2、殿廻り 3、夕フララ(夕拝み、八重大仲) 4、神遊び(立ちウムイ) 5、チーグ座 6、神送り 7、カーブイの返納
 ウンヌキグトゥ/村人へのウネージャク(お願いの酌)ノロ座から始めスイミチ座と行われる→アシミネの殿(安里の殿)/ガーチの殿/ババの殿/トゥマンナスの殿/浜の殿(殿廻り)→朝フララと同様に行う→ノロとスイミチ神でチーグ座までコネリ手で踊る→村代表と別れの杯/嶽戻しのウンヌキグトゥと儀式→国火之神の後ろからヤガン御嶽に向って神をおくり、カーブイをはずすーカーブイを今帰仁の祠かクバの御嶽に返納する

 この表の通りの順序でヤガン折目神行事の儀式は一応終えるが、二七日はントゥングヮー大屋、ノロ殿内(宮小)から神返しの祈りを行なう。

 <ヤガンウユミ(折目)のノロは、スイミチ座とノロ座の二手に分かれる。スイミチ座は伝統的な島のノロで(察度王統のノロとも言われている)、ノロ座は琉球王府系(ノロ座は羽地摂政期以降のものと考えられる)のノロであるという。スイミチ座とノロ座の緊張関係が、この祭りを支えるエネルギーとなっているように思えた(狩俣恵一沖縄国際大学副学長著「粟国島のヤガン折目―荒ぶる神を祀る人々の精神性―」)>
 <注・粟国島にはノロ2名とスイミチ神、ヒタルマ神、メーダギ神、ウフンシー神、ユナンサー神の6名の神がいるとされる。またその6名の神にはそれぞれ屋号があり、その一部が使われている。メーダギ神の屋号はトゥーミーウフウヤー、ウフンチュー神の屋号はクチナウフヤー、ウフンシー神の屋号はクゥシサ―ジウフヤーとなっている(「粟国アーカイブス」HPから)。>

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