レキオ島唄アッチャー

伊江島の祭祀「大折目」、その6

沖縄各地にある折目祭祀
折目(ウイミ)の祭祀は、伊江島に限ったものではない。季節の折目で、豊年祭や予祝行事など、季節的祭事の日である以上、沖縄各地にある。ただ、折目や大折目の名称で行われているところは、多くない。よく知られているのに、粟国島の「ヤガン折目(ウユミ)」がある。 

「ヤガン折目(ウユミ)」
 毎年、旧暦6月24日、25日、26日の3日間を通して行われる「祭り」。最終日には、一般の人たちも参加し健康祈願や、子宝祈願を行う日となっている。
昔、島の北側の野厳原(ヤガンバル)に毎年6月(旧暦)になると荒ぶれた神様に畑に来た人が目をえぐられたり、鼻を削がれたり、妊婦は流産させられたりして、神を鎮める祭り「ヤガンウユミ」が行われてきたという。現代は、島の繁栄と人々の健康祈願が主のようだ。
粟国島の「ヤガン折目」は、伊江島の大折目と共通する要素がある。
沖縄の民話の研究者である遠藤庄治氏は、粟国島の「ヤガン折目」が、「伊江島の大折目行事によって伝えられた豊穣神である龍への生贄伝説とほぼ同じ性格を伝えていた」(『伊江島の民話』)と類似性を指摘している。
武藤美也子氏は、粟国島の祭祀は「荒ぶる神を鎮めるためという由来伝承がある。しかし、調査した限りでの祭祀の目的は『島の繁栄祈願と村人の健康祈願・子孫繁栄』であった。ただ偉大な力持った外来神から島の豊穣をもらうという形は伊江島大折目と似ている」(「伊江島の大折目(ウプウイミ)―報告と分析―」)とのべている。
                    伊平屋ウンジャミ
               伊平屋島のウンジャミ
武藤氏は、「距離的には粟国島よりも近い伊平屋(伊是名)との関連、類似性も大きいのではないか」とする。
「伊平屋の田名のウンジャミにはナレク儀礼があり、その儀礼の中心になるのは幼い女の子である。その少女たちは伊江島のナイクと同じように最初は浜に連れて行かれ、その後、村の各戸を払って廻る。ナレクとナイクは同じ語源の語であると考えられる。また神送りに浜まで行くのに神女が馬に乗る馬行列も伊平屋の田名において行われている」

今帰仁村では、今帰仁グスクの海神祭の第2日目は城大折目(グスクウイミ)と呼ばれる。この祭祀は、旧盆が終わってから、最初の亥(い)の日に行われる。
第1日目は御舟漕(ウーニフジ)と呼ばれる舟漕ぎの儀礼で、航海安全を中心とする祈願。
第2日目のグスク内での祈願は海神祭が中心であり、今帰仁ノロはグスク内の拝所や御嶽(ウタキ)を廻って祈りをする。その後、シバンティナ浜という海岸へ下り、神々を送る祈りをする。
(「ガイドと歩く今帰仁城跡)から)
 
これまで見たように、伊江島の大折目は、一つの海神祭(ウンジャミ)であり、沖縄の他の島、地域の祭祀との共通性があるようだ。同時に伊江島の独特の特徴を持っている。繰り返すけれど、そんな伝統ある祭祀が衰退してもう見られないというのは、とても残念である。
終わり
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