レキオ島唄アッチャー

久高島のイラブ―漁

 女性は農業、男性は漁業
       
  久高島のイザイホーなど祭祀について紹介した。島の祭祀と民俗にかかわり、どうしてもふれておきたいのが、海蛇のイラブ―(永良部ウナギ)漁である。島の特産だ。島の周囲は、珊瑚礁でできた遠浅のイノー(礁湖)が広がっている。海岸の岩場にイラブ―はやってくる。イラブ―は昔から、食用としてだけではなく、薬用として重宝されてきた。
  久高では、女性は農業、男性は漁業を営んできたが、男たちは久高島でイラブ―を獲ってきたわけではない。島民がイラブーを獲ることは、制限されていた。

  採取者が決まっていたイラブ―漁
  比嘉康雄著『神々の原郷-久高島』(上、下)から、紹介する。       
  久高島では古くからイラブ―の採取権者が決まっている。それは久高ノロ家、外間ノロ家、外間根人(ニッチュ)家の、いわゆるミアムトゥと呼ばれる久高島の祭祀の中心的な家である。このミアムトゥから出自する神職者が、シマレベルのまつりの司祭者となる。つまり、イラブ―の採取権者は久高島のシマレベルのまつりを司る神職者の家なのである。
イラブ―の漁場を「アナグゥチ」「イラブガマ」といっている。つまりイラブ―の漁場は海岸の岩間である。漁場はミアムトゥに対応して3か所ある。

  久高ノロ家の伝統的なイラブ―漁は、村頭(注・シマレベルのまつりの雑事を担当する者)が加勢するが、実際にイラブ―を獲るのは村頭の妻2人(外間側・久高側)で、それに久高ノロ家が雇った婦人1人であった。つまりイラブ―獲りは女性だけとなる。
  イラブ―漁の時期は旧6月の初めから旧12月の末までである。最盛期は旧8・9・10月である。イラブ―漁の時期になると、先の3名の女性たちは毎晩イラブ―漁をすることになる。イラブ―漁のために作った小屋に仮眠をし、潮時を耳で聞き、イラブ―が寄って来る時に起きてイラブ―漁を始めるのである。
                    比嘉康雄他「神々の島」
   写真はイラブ―の燻製(比嘉康雄、谷川健一著『神々の島 沖縄・久高島のまつり』から)

  <夜更け、岩の裂目からそっと入り、洞窟の奥、波がひたひたと寄せてくる所に、じっと坐って待っている。やがて、ぴしっぴしっと音がして、イラブ―が波にのってやってくる。足元をするりと抜けるとき、さっと頭を掴むのだという=この項、比嘉康雄、谷川健一著『神々の島 沖縄の久高島のまつり』>
  久高ノロ家の現在のイラブ―燻製は、久高側村頭とその妻、外間側村頭とその妻、久高ノロ側が雇った男女の計6名でおこなっている。
  イラブ―の燻製は、ある一定量(120~140匹)の漁獲に達したとき、燻製作業がおこなわれる。
 燻製化したイラブ―は両村頭が交替で戦前からの取引先である与那原町の西銘永店(久高ノロの親戚)に出荷する。最盛期には島人の西銘竹太氏にも卸している。竹太氏は那覇の市場で売っている。
  <久高ノロのアナグチ(イラブーが産卵のために寄りつく場所)が一番よくイラブ―が捕れ、現在はほとんど久高ノロの方がイラブ―漁を行っている。久高ノロの燻製所は、久高殿の横にあるバイカンヤー。枯葉や炭火で10日近くもいぶすので、保存がきく。出来上がったものは、本島の市場に売り、その収益を久高ノロと村頭が分ける=この項、比嘉康雄、谷川健一著『神々の島 沖縄の久高島のまつり』>
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