レキオ島唄アッチャー

神の島・久高島の祭りと暮らし、なぜ「神の島」か

 神の島・久高島の祭りと暮らし

  沖縄本島の知念岬に立つと、目の前に「神の島」と呼ばれる久高島が浮かぶ。もう8年ほど前に一度島に渡ったことがある。まだオートバイに乗っている頃で、フェリーにバイクを積んで島にわたり、島の東端のカベール浜まで行った。でもその際は、久高島の祭りや民俗についてあまり知らないままだった。
 記録映画「イザイホー」を見たついでに、いくつかの文献を少し読んでみた。久高島の祭祀と暮らしについて、興味のあるところを中心に紹介したい。
 
  なぜ「神の島」と呼ばれるのか
 琉球開闢(カイビャク)の伝承のあるアマミキヨ、シネリキヨが、海のかなたのミライカナイから最初に着いたのは、久高島だった。東端のカベール浜がその地だったとか。また、麦、粟、黍、小豆、クバ、アザカ、ススキの7種の豊穣の種を入れた壺が流れ着いたのも、久高島のイシキ浜だったという。
 こんな由緒ある島は、首里王府から重要な位置づけがされていた。
 「国王みずから久高島に渡って天神地祇を祀られた琉球史上きわめて重要な島である」(安泉松雄ノート「イザイホーの御祭」)。昔から「神の島」と呼ばれてきた。 
                   久高島、「神々の島」


  <注・「昔は歴代国王が毎年一度、後に二年に一度、二月ミシキヨマ(麦の初穂儀礼)のときに聞得大君(キコヘオオキミ、神職の最高位)・司雲上(ツカサクモウヘ)・按司(アジ)をともなって久高島に行幸したが、尚貞王時代になって、代参になった」「1673年、国王による直接行幸が廃止になる」(比嘉康雄著『神々の原郷ー久高島(下)』)>
  久高島は、昔から土地が共有制になっていて、男が16歳になると土地が割り当てられていた。島の土地は10組に分けられており、いまでも、農作物に関する祭祀の時は、一地からいくら、と供物の割り当てが土地単位で定められているという。

  「久高島では、祭りが暮らしの中で生きているのだ。外間ノロ、久高ノロの2人のノロを頂点とする、祭祀組織の成員(神人)も、ムラを東西に二分している。東が外間ノロ側、西が久高ノロ側、祭りのときはもちろん、運動会の父兄の綱引きの時にも、この区分に従って、外間ノロ側、久高ノロ側で競い合うのである。こんな生活と、昔から、久高島は琉球開闢の聖地とされていた、という誇りが、たくさんの祭りを残した」(『神々の島 沖縄・久高島のまつり』 比嘉康雄、谷川健一著)。

 久高島では、昔から、男は漁業、女は農業と決まっている。男たちは、鰹や、イラブ―(永良部ウナギ)をとりに遠海まで出かけた。女性たちは、島で畑仕事をし、子どもを育てながら、航海の無事をひたすら祈ったのである。
 「久高島では基本的に女は守護する者、男は守護される者ということである。女は30歳~41歳のときイザイホーを経て、亡祖母の霊威(ウプティシジ)を受け、守護者『タマガエー』に就任し、一生夫や息子たちの守護者として生きる。一方男は、16歳になったら正人に就任し、70歳で隠居するまで、妻や母親たちがおこなっている守護者としての機能(祭祀)を経済的に後援する。こんな夫を寄りかかれる存在、頼れる存在として、守護者である妻はフサティ(腰当)と呼ぶ。
                      IMG_8083.jpg
                ドキュメンタリー映画「イザイホウ」予告編(ホームページから)
  戦前までは働き盛りの久高島の男たちは、北は奄美群島、南は宮古・八重山群島、台湾南方まで出漁し、半年以上島を留守にするのが常であった。男たちが出漁している間中、久高島の女たちは農業をし、子供を育て、神事をおこない、農作物の豊穣、子供の健康を願い、そうした出漁中の男たちの大漁と航海安全を祈って、男たちの帰りをじっと待って暮らしたのである」(比嘉康雄著『神々の原郷-久高島(上、下)』。

  <現在、畑では女性や熟年男性の姿がめにつく。地割制度も往時の分配原則を時宜に応じて変革してきているが、今や概して形骸化しており、耕作権も慣習的固定化現象を呈しつつある。
 その他の島内での生業は、これまでウニの漁獲、もずくの養殖など、年々試行錯誤をしてきており、ここ数年は、“海葡萄(ウミブドウ)”の養殖を始めた家がある。いずれにしても少数派で、島の公的建設事業に臨時的に雇用される人々も多いが、総じて壮年者は仕事はさしていない。漁業もう往時と異なって近海で行い、漁場から魚市場に直行して捌いてくる=齋藤ミチ子著「記録されたイザイホーー画像から見た祭祀状況と聖域の変容―」>
スポンサーサイト

民俗 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<神の島・久高島の祭りと暮らし、イザイホー | ホーム | 根本が間違っている菅官房長官>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |