レキオ島唄アッチャー

移住地の村褒めの歌、真栄里節

 「真栄里節」
  真栄里村は、石垣島の宮良川を少し内陸部に入ったところに位置する。
かつて、平得村の人口が2105人となり少数の役人では統治上困難があるとして分村を陳情申請して宝暦7年(1757)に平得村から885人を分村して創建されたのが真栄里村である。
  明和8年の大津波の時、人口1173人のうち908人が溺死し265人が生き残った。当時の野国在番は天災の復興事業として黒島から313人を強制移住させた。生存者と合せて578人で再建された。
 
 この曲の歌詞は次の通り。
♪だんじゅとぅゆまりる 真栄里ぬ村や 中村ゆくさでぃ 作場前なし
アシブサ ブドゥユサ(以下ハヤシ略) 
♪縦横ぬ道ぬ 直さある如に 心持ち清らさ さびやねさみ
♪あまく働ちゃい 年年ぬ貢 余所に先立ちゅてぃ 心嬉しゃ
♪親子睦ましく 夫婦立ち清らさ 村中肝揃てぃ 情け許(バカ)い 
                  
          真栄里豊年祭。残念ながら「真栄里節」ではなく「稲しり節」を歌っている。
 歌意は次の通り。
♪よくその名を知られた 真栄里村は 中村を背に 畑地を前にしている
♪村の縦横の道が 真っ直ぐであるように 村人の心延えは清らかで
  村には何の災いもないのだ
♪心楽しく働き 年々の貢租は 余所に先んじて(納めることが出来て)
  なんと嬉しいことよ
♪どの家庭も親子の仲は睦まじく 夫婦の暮らし向きも立派で 村中の人々は
  心ひとつに結ばれて 情愛に満ちあふれている
  この曲は、村褒めの模範的な内容を持っている。つまり、村の前によい畑地が広がり、道路がまっすぐであるように村人の心が清らかで、年貢は率先して完納し、親子、夫婦とも仲睦まじく、村中みんな心が結ばれている。村と村民を褒めた称える要素が網羅されているからだ。
 この曲はまだ、歌ったことがない。當山善堂著『精選八重山古典民謡集二』によると、八重山古典民謡の大半は八重山独特の「中舌音(ナカジタオン)」を基調に表記されているが、この曲は用いられていないことが一つの特徴だという。その理由については次のように解説している。
  黒島から強制移住させ再建されたので「真栄里村では、今でも黒島のことを親島(ウヤジマ)と呼んでおり日常語も非常に近似している。なにより興味深いのは、隣接している平得村や近接している四箇村(石垣島の中心部の4村)の言葉の特徴である『中舌音』に染まらず、黒島と同じく中舌音を用いない言語習慣を堅持していることである」。

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