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八重山島の役人、不正が繰り返される

 不正が繰り返される
 役人の不正や横暴は、首里王府から布達され、行政の規範とすべき『規模帳(キモチョウ)』にも、さまざま記載されている。『翁長親方八重山島規模帳』(1858年布達)には、次のような記述がある。
「村々の役人が番所で上納米を収納する時、欠米といって7、8合あるいは1升ほど別に受け取り、私用している者もあるというが良くない。今後は右のような非法のないよう取り締まること。」
 百姓たちは、重い年貢にあえぎながら、やっとの思いで上納をする。その際、「欠米」と称して、余分に7,8合から1升も受け取り、私腹を肥やすとは言語道断である。

 「諸村の担当役人や耕作筆者・杣山筆者の家族の上納分を、自分の所轄村の帳内に引移しては、村の上納分と混乱し監督不行き届きのもとにもなるので、それぞれ村々の帳内に入れ上納すること。」
これは、早く言えば役人が家族の上納分を、自分の所轄の村の上納分に肩代わりさせて、家族の上納を免れようとすることではないか。悪質な不正である。
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    写真は、石垣島の宮良殿内。記事とは関係ない
 「奉公人(役務についている士族などをいう)は以前に比べれば格段に繁栄し、家業をおろそかにしているから、百姓らへ物をねだりだんだん困窮させ、今や島中の百姓がきわめて疲弊している。これでは百姓らの暮らしが成り立たないので、奉公人の次男次女は百姓にするはずであったが、今回はこの法を適用しない。各人が態度を改め、百姓の生活が維持できるようになれば、こうした処置も必要がなくなろう。万一同様に変わることなく百姓を困窮させたならば、次男次女以下は百姓にするつもりであるから、その期に及んで後悔しないこと。」

 役人がさまざまな品物をねだり、無償で出させるので百姓が困窮しているので、役人らの次男次女は百姓にすることをいったんは決めながら「今回はこの法を適用しない」とのべ、役人にはとても甘かったことを表している。
役人らが、他人の作った農作物を盗み取る犯罪も横行した。
 「奉公人の多くは農業をいやがるので、少し世相が悪くなると、芋や芋つる、あるいは小さな芋まで盗み取り、持ち主が迷惑しているといい、はなはだ良くないことである。盗んだ者は必ず捕え、問い合わせの上重科に申し付けること。」
 「奉公人ならびに百姓の多くは野菜作りに念を入れず、他人の作った物を盗み取る者もあるというが良くないことである。今後はこのようなことのないよう厳重に取り締まり、そうほうしてそれぞれに屋敷内に季節の野菜を作り、家族の食用に差し支えのないよう、特に申し渡すこと。」

 役人の不正、不届きな行為は、さきにも述べたように、放置すれば、百姓がさらに疲弊し、必要な年貢、上納物も納めることができず、島中が立ち行かなくなる、王府の統治と財政の確保にとっても、重大な妨げになる恐れがある。だから、役人の不正、非法を摘発して、処罰や是正の措置をとるなど、対応せざるを得なかったのだろう
 しかし、「規模帳」などにたびたび記載されていることをみても、王府が再三、監督や取り締まりを行っても、根絶されないばかりか、繰り返し発生した。

 薩摩藩と首里王府による八重山・宮古島での徹底した抑圧と人頭税を軸にした過酷な搾取の支配機構の末端で役人が権力をふるい、百姓は納税奴隷のような扱いをうけていた。この統治と搾取の仕組みの中で、役人の不正、非法、横暴なふるまいも、再生産されていったことだろう。

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