レキオ島唄アッチャー

沖永良部島の島唄散策、その3「あしび歌」

 「あしび歌」
  奄美諸島の民謡について、『南島歌謡大成 奄美編』を読んでみた。この本では奄美の島ごとの「あしび歌」の中に、沖永良部島では30曲、143首の歌謡と共通歌詞の雑歌1曲66首の歌謡が収録されている。雑歌は、「島の民謡はどの曲節にも合して歌えるので、数多く集めて雑歌とした」ものだが、66首もあり長大である。
  あしび歌以外にも「島口説」や「手まり歌」5曲、「お手玉歌」1曲、「子守り歌」13曲が入っている。
  収録された歌謡を見れば、確かに沖縄と同じと思われる曲がある。「稲摺(イニシリ)節」は沖縄と同じ曲である。「じんとう節」も題名が沖縄の「ジントヨー節」と同じだ。「うちならし」は「踊(ウドゥイ)クハデサ節」と歌詞が似ている。「しゅうだい節」は「湊くり節」と歌詞がそっくりだ。「あんちゃめぐゎ」は「アッチャメー小(グヮ)」と歌詞がそっくりだ。
  柏常秋氏著『沖永良部島民俗誌』が指摘しているように、沖縄や奄美諸島の他の島から伝わったり、影響を受けた曲が多く、沖永良部島の固有の民謡は少ない、ということなのだろうか。
               
               「永良部百合ぬ花」
  私の個人的な見解であるが、各地の民謡を見る場合、一つの島、地域だけで独自に生まれたオリジナリティーのある曲だけをその地の民謡と見れば、どこでもごく限られた数となる。民謡は、人間の社会的な交わりのなかで、伝えられていく。その土地に受容され、歌詞や旋律も少し変化し、ルーツは同じでも独自の色彩を帯びて定着するのが普通である。
  沖縄の場合も、八重山民謡が本島民謡にたくさん取り入れられたことをこのブログでも紹介した。大和音楽の影響を受けた曲もある。同じ八重山の中で、同じ題名の曲が、島ごとに少し異なり、それぞれの島、地域の民謡となっている。他の地方から伝わったり、影響を受けたものであっても、沖縄本島、八重山、宮古などそれぞれの土地に定着し、愛されている民謡は、区別せずにその土地の民謡としているのではないか。あまり厳しく線引きして狭くとらえなくてもよいのではないかと思う。

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