レキオ島唄アッチャー

避難勧告59万人は適切か?

 猛威をふるった台風8号がようやく沖縄地方を去った。だが、台風の渦巻き雲はまだ残り、大雨はまだ続いている。7月では過去最強といわれ、初の特別警報が出されたなかで、自治体の避難勧告は20市町村で59万人余りという未曽有の規模になった。県民の4割は避難勧告の対象だ。
 市内全域を対象に、10万、5万といった規模で避難勧告を出す。それも、台風の暴風域に入った8日午前に相次いで勧告が出るという状況だった。
 これってどう考えてお少し可笑しい。風雨が強まる中で、数十万人を避難させることは、かえって避難中に被害が出かねない。一自治体で10万人が実際に避難したら、それを収容し保護できる体制があるのか。
 それに、台風常襲県の沖縄は、民家でもコンクリート造りの家が多く、風雨には強い。だから、しっかりした作りの家なら、身を守るためには、外に出ず自宅でいる方が安心だ。
 だから、テレビを見ていると、勧告が出る一方では、コンクリート建ての家は外に出ず、屋内に留まる事を呼びかけていた。なんか、矛盾した話だ。
 自治体によって、対応が分かれた。那覇市は、市内の低地にあたる若狭地域だけに避難勧告を出した。同じ本島でも、勧告を出さなかった自治体も少なくない。
 勧告を出された自治体の住民も、大半の市民は避難しなかった。県内で避難所に避難した住民は36市町村で1231人(8日午後9時、「琉球新報」)に過ぎない。「本当に避難する必要があるのか」という問い合わせが殺到した自治体もある。大半の住民は、勧告には従わなかった。避難の必要性を感じない。自宅にいる方が安全だと思ったからだろう。
 「市内全域」「全住民」を対象とする避難勧告とは、自治体の責任逃れではないのか、という疑問がわく。もしなにかあれば「勧告を出していました」と言えるからだ。だが、これって、かえって無責任な気がしてならない。実際の危険性を吟味もしないで、ただ市内全域に避難勧告を出すということを繰り返せば、住民は「オオカミ少年」のようになって、避難勧告が出ても、無視することになりはしないか。
 今朝の新聞を読み驚いたのは、沖縄国際大学の防災士が、避難勧告には「避難所へ避難することだけでなく『安全な屋内にとどまる』という意味がある」と述べていることだ。避難勧告のガイドラインを読むと、確かに、「避難」の考え方が変更されて、「家屋内に留まって安全を確保する」ことも「避難行動」の一つとしている。
 だが、避難勧告には屋内にとどまる意味もあるなんて理解をしている人はほとんどいないだろう。安全な屋内にとどまることも避難の一つというなら「避難勧告」という用語自体がきわめて不適切となる。
 これからも、台風は繰り返し襲ってくる。避難勧告のあり方をもう一度、検討する必要があるのではないか。

 
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